ながい寮 倫理綱領

◆ 基本的な考え方

障害を持った人への援助。そこでは時として、その障害のみ着目した態度が生じてしま う。それは利用者を、〜できない、〜の困った行動をする、といった障害の側面において 捉える態度である、このような態度は、職員の利用者への理解として、〜できない人=子 どもみたい/しょうがない人、といった否定的な評価を生み、呼び方も自然とちゃん付け やあだ名になってしまう。そして、このような利用者理解は指導・訓練を中心とした処遇 観を生み出し、それに伴い、暴力、高圧的態度、過剰なしつけといった、今日では人権侵 害として問題になる行為を生み出す。言うまでもなく、このような利用者理解・処遇観は 誤ったものであり、ましてや人権侵害は絶対にしてはならない。しかし、ながい寮の現状 を見ると、HlO年に入り、人権についての研修(レポート)を4回行ったにもかかわら ず、まだ、ちゃん付けが日常的に見られ、人権侵害とされる行為(押入れに閉じ込める、 昼食を抜く)も行われてしまった。この現状を職員全体が深く反省し、今後適切な処遇が 行われるよう、ここに倫理綱領を定める。まず、以下に1.処遇の基本理念 2.処遇観  3.利用者と職員の関係について確認する。

1.処遇の基本理念 

処遇の基本は障害に対する態度ではなく、人に対する態度である。ここで言う人に対 する態度とは「人(その人の人生)は物とは違い、代替不可能なかけがえのなさ−こ れが人間の尊厳の意味である−を持つ。障害を持っている人に対しても、当然、この ような“人”として敬い接しよ」という事である。

2.処遇観

しつけ、指導・訓練が、処遇の中心ではない。処遇の基本は

  1. 本人意志の尊重。
  2. 一人一人のQOL(生活の質)を高める為の援助、環填整備、機会の保障。
  3. 行動障害の軽減などの専門的サービス。
  の3点である。

3.利用者と職員の関係

利用者が主体である。ながい寮において職員は利用者を下から支える存在である。そ  の意味で、利用者と職員の関係は、利用者が上で職員が下の関係である。この事を踏まえ処遇にあたらなければならない。    

◆ 行動規範

先に記した処遇の基本理念、処遇観、利用者と職員の関係が実現するよう、ここでは、 1.処遇における基本的態度 2.してはいけない事 3.行動障害に対する基本的対応 について記す。

1.処遇における基本的態度

  1. 利用者に対しては、一人の大人として尊敬の念を持って接し、基本的には優しく ある事。   
  2. 利用者に対する発言・態度は、その人の保護者がいる時と同じものでなければな らない。

2.してはいけない事

  1. 暴力
     ・叩いたり、蹴ったりしてはならない。
     ・押入れに閉じ込めてはならない。
     
  2. 高圧的態度/からかい/子ども扱い
     ・ちゃん付けやあだ名を呼ばない。
     ・頭を小突く、首根っこを押す、といった行為はしない。
     ・スリッバを取り上げ、利用者を困らせる事はしない。
     ・怒った口調で繰り返し注意、指示はしない。
     ・必要に応じ注意する事も、目上の人に対し助言するといった態度、
     口調で行う。  (決して高圧的な態度は取らない。)
  3. 過剰なしつけ
    ・食事を食べさせない、という事はしない。

※上記の他、暴力、高圧的態度、からかい、子ども扱い、  発言、態度、行為はしない。過剰なしつけ、に相当する。

3.行動障害への基本的対応

  1. 行動障害に対し、「全くしょうがない」と愚痴をこぼすのではなく、なぜそのよ うな行動をするのか、どうすればその行動が軽減するのか考えたり、情報収集をする。
  2. 必要に応じ、ケース会議を開き、その対応法について検討する。

◆ チェック体制

ここに記されている事が守られているか否か、それをチェックする体制が整っていなけ れば、この倫理綱領も絵に描いた餅に成りかねない。よってここでは、この倫理綱領が守 られているかどうかチェックする体制について記す。

1.職員相互のチェック

人権侵害を防ぎ、利用者のQOLを高める為に、職員は相互に  

  1. 倫理綱領にある基本的な考え方に記してある内容に、明らかに反した発言/態度 /行為をしている人はいないか。
  2. 行動親範が守られているか。

を確認し合い、守られていない人がいた場合、すぐ副寮長まで報告する。

2.実習生によるチェック

実習担当者は、オリエンテーション時、実習生に対し、職員がこの倫理綱領を守る事 になっている旨を伝え、コピーを渡す。そして、副寮長は実習最終日ないしその前日 、職員がこの倫理綱領を守っていたか聞く。

3.利用者によるチェック

施設長は月に2〜3回、この倫理綱領にある事が守られているか否か、数人の利用者 に話を聞く。 尚、このほか、第三者によるチェックとして、オンプズマン制度の導入を前向きに検討す る。

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